Q: 入社の経緯を教えてください。
就職活動をしていた時、大学卒業後は日本に留まって日本の企業で経験を積みたいと考えていました。現在フロンティア部所属で従兄でもある劉 文満氏より穴織カーボンの求人があることを聞き、またマレーシアに工場があるところに親近感と興味を持ち、日本語をはじめ他の言語も活かして日本とマレーシアの架け橋となるお仕事ができるのではないかと考え、求人に応募しました。グローバルな仕事をしてみたいと大学時代から視野にあったので、内定をもらい入社を即決し、2019年4月1日より穴織カーボン東京オフィスで働くことになりました。劉氏より求人の話を聞いてチャレンジしたことが良いキッカケであったと感謝しています。
Q: 日本に来日した理由を教えてください。
日本の食べ物や環境など、子供の頃からずっと日本に憧れを持っており、高校卒業時に日本に留学したいと両親に相談したら、父親の友人から日本語学校を紹介してもらい、来日することが決まりました。来日してから日本語を一から学んだので、最初は片言でしか話せず苦労しましたし、カタカナやひらがなを覚えることも大変でした。それから1年半くらい必死で勉強して、大学を受験して無事に合格することができました。大学では社会心理学を専攻し、そこでは「人と人とのつながり」や「人と社会との連携・働き」ということについて学びました。心理学には生理心理学や認知心理学など様々な種類がありますが、社会心理学では、「人間関係」 「消費」「産業」など人間行動を社会的な観点から理解し、説明しようとする学問で、現在の仕事と直接的な関係はないですが、間接的な関わりがあるように思います。例えば、他部署と連携して仕事をする際に、人とのコミュニケーションをどうやってうまく進めるべきか、また客先にどのようなサービスをすることで満足度を上げる事ができるのかなど、今となっては大学で学んだ事が、多少お仕事に関連していて役に立っているのかなと感じています。
Q: 営業部業務課のお仕事について教えてください。
営業のサポート業務がメインで、営業チームが外出している時に、顧客対応をしたり、客先・工場・仕入先・営業間のコーティネートをしています。例えば、納期の調整だったり、見積依頼や問い合わせの対応など様々です。また、見積書・見積依頼書・受注書・発注書・該非判定書などの資料作成や、製品の出荷手配、資料整理から納品書管理など業務内容の幅が広く、東京オフィスでのFAS在庫管理、備品手配や資料整理なども担当しています。また以前のことではありますが、英語や中国語など語学を活かして安全データシートやマレーシアの断熱炉資料等の翻訳、必要に応じて商談時の通訳もしています。この様に営業に関わる業務は、幅広く時には早急に対応するなどスピード感も必要になります。また、通訳の際は、カーボンについて、会社の概要や事業内容などをしっかり把握し理解していないと、通訳することが難航するためカーボンの素材や加工などの知識も最低限は必要になります。電話対応においても、日本語・中国語・英語と頭を切り替えて対応するので、たまに混乱したりします。(笑) 入社してから5年半になりますが、その間にたくさんの事を経験し出来ることが増え、業務も増えたり少し変化があったりしますが、時を経るごとに新しい業務、環境やコミュニケーションにおける順応性が高くなった様に感じています。
Q: 外国籍正社員として日本で労働することの良さや苦労などをお聞かせください。
穴織カーボンに入社してから現在に至るまで、外国籍ということで差別を感じたことはほとんどありません。穴織カーボンの人達は、国籍というよりも「人」として接してくれている様に感じます。言葉については、表現が少し間違っていたり、伝えたいことが上手く伝わっていない時に、私が言おうとしていることを理解しようと会話を汲み取ってくれたり、反対にこちらが理解できていないことを丁寧に教えてくれるところは、ありがたく感じています。また、業務状況にもよりますが、母国マレーシアに帰国する時に長い休暇を取らせてもらえることは、非常にありがたく思っています。
苦労した点は、入社当初はビジネス用語の使い分けに苦戦しました。顧客に失礼なことを言っていないか心配でした。メールで文章を作成する時は、ネットで検索したり、周りの方に助けを求めて、慣れるまでは十分に気を使って文章を作成していました。またメールもそうですが、電話に出ることが一番苦手でした。「お世話になっております。」や「お伝えいたします。」などは使いこなせるまでに時間がかかりましたが、今は電話も臆せずに対応ができ、既存の取引先の方とは時間があれば、敬語を交えた世間話もできるくらいになりました。 (笑)
Q: お仕事以外では、どんなことを楽しんでいますか?
美味しいものや新しい場所を探索したり、友達と一緒に出かけたりおしゃべりするのが好きで、休日は美味しいコーヒーやご飯の発掘の旅に友達と出歩いています。都内だけでなく近郊など、行けるところならどこでも、美味しいものを求めて彷徨っています。(笑) 反面、お家でまったりすることも好きなので、そんな時はお料理をしたり、音楽を聞いたりリラックスタイムを楽しんでいます。週末か仕事終わりにジムやピラティスに通って、ストレス発散や気分転換、健康管理のために体を動かすようにしてます。体を動かすとリフレッシュできて気持ちが良いので、細く長く続けています。長期休暇が取れる時は、北海道や沖縄など遠方の場所や海外旅行するなど、旅に出て新しい場所やその土地の美味しいものを楽しむ事が多いです。
Q: 最後に、サムさん自身が今後どういうことにチャレンジしたいかなど今後のビジョンをお聞かせください。
今年に入って通訳として台湾出張に同行させてもらった際に、素材のことなどもっと詳しく理解していれば、もっと上手く通訳ができたのに!と思うことがありました。通訳のためだけではなく、何事も相手に伝える時に、しっかりとした知識を持って伝えないと伝わらないと感じたので、仕事の知識をより増やすために、今まで以上にしっかりと勉強していきたいなと思っています。特に業務に関わる事、例えば素材や加工の方法、炉のことなどは専門的な知識がないと対応できない時があるのと、外国語は表現方法が日本語とは違ったりするので、さまざまな角度から学んで知識を増やしたいと考えています。また近年は、海外からのお客様や案件も年々多くなってきているので、語学を活かして会社に貢献できたらと思っています。穴織カーボンの技術や品質の良さなどを伝え、世界と日本を結ぶ架け橋になれれば良いなと考えており、引き続き新しい事にどんどんチャレンジしていきたいと思っています。