炭素繊維(Carbon Fiber)

 

主な炭素繊維 

PAN系炭素繊維

ポリアクリルニトルを炭素化して製造される。非常に強度が高いのが特徴。CFRPに多く用いられている。

異方性ピッチ系炭素繊維

石油または石炭系の異方性ピッチを紡糸して製造される。鋼構造物やコンクリート構造物への補強や、人工衛星のアンテナリフレクター、自転車のフレーム、自動車や飛行機などのブレーキなどに用いられている。

 

等方性ピッチ系炭素繊維

石油または石炭系の等方性ピッチを紡糸して製造される。高温炉の成形断熱材、鉄道車両用の吸音断熱材、自動車のクラッチやブレーキの添加剤などに使用されている。
 

レーヨン系炭素繊維

レーヨンを炭素化して製造される。高温炉の成形断熱材、フェルト断熱材が主な用途となります。


炭素繊維の特性 

*軽量であるので比強度、非弾性率が高い

熱的安定性が高い

耐薬品性及び耐食性に優れる

生体適合性や生体親和性がある

広範囲での電気伝導性が得られる

摺動特性を制御することができる

 

  炭素繊維強化プラスチック(CFRP)

PAN系炭素繊維が多く持ちいらせているCFRPとは、「Carbon Fiber Reinforced Plastics」の略で、「炭素繊維強化プラスチック」を意味します。炭素繊維と樹脂(エポキシ等の熱硬化性樹脂)が主な材料です。

スポーツ用品:テニスラケット、釣竿、ゴルフシャフト
乗り物:自転車・オートバイ・自動車・飛行機の部品
産業用途:圧力容器、電線(ケーブルコア)、海底油田用パイプ

  

 

  炭素繊維強化炭素複合材(C/Cコンポジット)

 

炭素繊維強化炭素複合材(Carbon Fiber Reinforced Carbon Composite)とは炭素繊維(Carbon Fiber)と炭素マトリックス(Carbon Matrix)から構成される複合材料です。炭素繊維は非常に強力で軽量な材料であり、炭素マトリックスは繊維を結合し、材料の強度と剛性を高めます。この組み合わせにより、C/Cコンポジットは非常に高い剛性、耐熱性、耐摩耗性、および耐食性を持つことができます。

従来のカーボン・グラファイトの特性をカバーする為に材料開発を行って出来上がった素材がC/Cコンポジットです。

C/Cコンポジットは人造黒鉛よりも高強度・高靭性、 そして落下させてもほぼ割れない程の耐衝撃性を有しており、高性能な材料として広く使用されております。 高強度の耐熱部品として宇宙、航空機部品用に元々開発された経緯が有り、その他に、ホットプレスモールド部品、セッター、耐熱ボルト、ナットなど多岐にわたる分野で重要な役割を果たしています 。