グラファイトとは

グラファイトとはカーボン(炭素)を高温、高圧で処理し純粋で規則的な原始配列にしたものがグラファイト(黒鉛)です。さらに膨大な熱と圧力を加え原始配列の変化したものがダイヤモンドなのです。

ラファイトの種類について ァイトの特性 

 グラファイトの種類 

グラファイトは、成形方法の違いから CIP材(シップ材)・押出材・モールド材の、3つの種類に分類されます。それぞれの方法によって、材料の密度、強度、耐久性などの特性に影響を与えます。成形後は焼成 → 黒鉛化のプロセスを経て、黒鉛構造の組織になります。


■CIP材 ※CIP = Cold Isostatic Press(冷間静水圧プレス)
等方性黒鉛とも呼ばれます。成形は粉末状の原料を特殊な袋や容器に詰め、高圧の水や油圧を用いて均一に加圧します。このプロセスにより、高密度で均一な材料が得られます。機械部品、耐熱材料、電極、ブロックなどの製造に使用されます。

■押出材(Extrusion material)
異方性黒鉛とも呼ばれます。成形は原料を押出型に入れ、片方から圧力をかけノズルから押し出す方法で、連続的に製造され、一定の形状(棒状、管状など)を持つ製品が得られます。きめ(肌理)が比較的に荒いですが、大きな形状や簡易的な使用用途の製品製造に適しています。

■モールド材(型押材)
原料は金型に充填され、高圧をかけることで所望の形状に成形されます。このためプレス面と他の面との強度に差があります。板状の製品や複雑な形状の製品を製造する際に使用されます。例えば、電極板、ブロック、板材などが該当します。

 

黒鉛化されたグラファイトに切削加工などをして出来上がった特殊炭素製品のことしても呼ばれています。

グラファイトは、さまざまな産業や応用分野で使用されています。



グラファイトの製品例 

  1. 鉛筆の芯:グラファイトは非常に軟らかく、鉛筆の芯の主成分として使用されます。鉛筆を書くとき、グラファイトが紙の上で削れて線を描くことができます。

  2. 電気伝導材料:グラファイトは優れた電気伝導性を持っており、電気電子機器の電極材料やバッテリーのアノード材料として使用されます。

  3. 熱伝導材料:グラファイトは熱伝導性が高く、高温環境での熱伝導に使用されます。例えば、電子機器の冷却材や熱交換器、ヒーター部品に使用されます。

  4. スライディング材料:グラファイトの層は互いに滑りやすく、潤滑性があるため、モーターブラシ等の電極、機械部品やエンジンの摩擦面の潤滑材や摩擦材料として使用されます。

  5. 耐熱材料:グラファイトは高温に耐える性質があります。そのため、高温炉や反応器の内部ライニング材、航空宇宙産業の断熱材料などに使用されます。

  6. 化学産業:グラファイトは化学的に安定しており、腐食性のある環境で使用することができます。化学プロセスや反応器の容器やパッキング材料として使用されます。

これらはグラファイトの一部の主要な用途ですが、他にもさまざまな応用があります。グラファイトはその特性のため、さまざまな分野で重要な役割を果たしています。

グラファイトの特性

電気伝導、熱伝導に優れている

炭素原子が平面的に密に配列されているため、電子が層間を自由に移動することができ、熱エネルギーがグラファイト内の層間を容易に伝わります。
高温下の使用に耐えることができ、急激な熱変化にも耐えられます。また高温で伸縮が少なく、高温下で強度が増します。

耐熱性に優れている

大気中で約400度、真空雰囲気で約2,200度で酸化消耗が始まるほど高い融点と熱安定性を持ちます。

耐薬品性に優れている

常温では、ほとんどの酸・アルカリに耐え、ガラス・石英とも反応しないなど、一般的・化学的に安定しており、ほとんどの融解金属と反応しない性質である。

滑り特性に優れている

グラファイトの層状構造により、層が相対的に滑りやすい特性を持ちます。