カーボンとは

カーボンとは炭素のことで元素記号は「C」で表します。
炭素は地球上に14番目に多く存在する原子で、地上や海中には主に炭酸ガスとして、地中には主に岩石、石炭、石油として、そして生物の中には いろいろな有機物の形で存在しています。また単体(主に炭素原子だけが集まったもの)では 地中の天然黒鉛やダイヤモンドなどがそう言えます。

炭素原子「C」の構造の違いにより性質が全く異なります。
性質:黒鉛(グラファイト)よく電気を通しますが、ダイヤモンドは絶縁体
強度:黒鉛(グラファイト)は柔らかく、ダイヤモンドは地球上で一番硬い物質

また炭素化合物(一部を除いた有機化合物)を蒸し焼きにすれば、炭素が得られることから、「炭素繊維(Carbon Fiber)」、「木炭/活性炭」、「コークス」等、きちんとした結晶構造を持たない無定形炭素があり、出発原料の違いにより性質や名称が異なります。

我々カーボン業界では「炭素やカーボンと呼称する際は炭素単体」を意味し、天然黒鉛や人造黒鉛(主に石油・石炭系の原料から工業生産される)や無定形炭素(炭素質カーボン)などがあります。
この他に炭素単体からなる製品としてはコークス、活性炭、 カーボンブラック、そして最近では炭素繊維などがあります。
*穴織カーボンでは、人造黒鉛を取り扱っています。

カーボンは熱的にも化学的にも極めて安定的な物質であり古くから多岐にわたり使用されてきました。生活においても、料理を作る、車を走らせる、電気を作るなど、炭素(カーボン)は昔からなくてはならない存在です。またこれから生活を支える電力として水力、風力、原子力発電、太陽光発電などのエコエネルギーを生み出す装置にも黒鉛(グラファイト)は必要不可欠です。

特に導電性があることが判明した後、様々な分野に用途が広がっていきました。
近年では半導体、エレクトロニクス分野など製造段階では欠かす事の出来ない材料として、特に部品として非常に多く使われています。また炭素繊維は航空宇宙、自動車、スポーツ、建築などの分野で進化や近代化を支える主要な材料として活躍しています。

 

カーボンを使用した身近な製品:
【カーボン(単体)】
ダイヤモンド

【グラファイト】
墨、鉛筆・シャーペンの芯、カーボン紙、鍋やフライパンなどのキッチン製品、電気製品の集積回路(ICチップ)に使われているシリコンを作る工程の道具、スマートフォンやPCなどの放熱材、電車のモーターブラシ、航空機のブレーキ、核融合炉内の部品

【カーボンファイバー】
自転車、釣り竿、ゴルフやテニスのラケット、スポーツカー

【CFRP】
ドローン、ホバーバイク
*CFRPはカーボンファイバーで補強された樹脂のこと